ブロードバンドルータとIPアドレス

インターネットや家庭内LANで使用する代表的な通信方法は、「TCP/IP」と呼ばれるものです。
IPアドレスは、TCP/IPで通信する時に個々の機器(ネットワークインターフェース)を識別するために使われます。
(TCP以外でも、IPを使用した通信ではIPアドレスが使われます。)

ネットワークインターフェースを持つブロードバンドルータにもIPアドレスは必要です。
ブロードバンドルータとIPアドレスについて、簡単に説明します。

IPアドレスとは

IPアドレスを簡単に説明すると、TCP/IPのネットワーク層プロトコル「IP」で使われる、識別用のアドレスです。
ネットワークに接続されている全ての機器の中で、通信を行うあて先を識別するために使用されます。
※プロトコル:通信における仕様を定めたもの。

あて先情報にIPアドレスを使用することで、目的の機器へデータを送ることができます。

あて先をパソコンDのIPアドレスにすることで、パソコンDへデータを届けることができる

IPアドレスはネットワークインターフェースごとに割当てる

IPアドレスを使用することで、通信を行うあて先を識別できると説明しましたが、正確には、IPアドレスはネットワークインターフェースごとに割当てられます。
仮に、イーサネットと無線LAN、2つのインターフェースを持つパソコンがあれば、それぞれに異なるIPアドレスを割当てることができます。

IPアドレスはインターフェースに対して割当てる

ブロードバンドルータのIPアドレス

ネットワークインターフェースを持つブロードバンドルータにも、IPアドレスを割当てる必要があります。
ブロードバンドルータに割当てるIPアドレスについて、簡単に説明したいと思います。

ブロードバンドルータには2つのインターフェースがある

ブロードバンドルータには、「WAN側」と「LAN側」、2つのインターフェースがあります。
(LAN側には、複数のイーサネットポートや、無線LANの機能を備えている製品もありますが、IPアドレスを割当てるインターフェースとしては1つとなります。)
2つのインターフェースには、それぞれ異なるIPアドレスを割当てることになります。

ブロードバンドルータには2つのインターフェースがある

WAN側とLAN側のネットワーク

ルータとは、異なるネットワーク間の通信を可能にする機器であり、ブロードバンドルータもその点に変わりはありません。
ブロードバンドルータが2つのインターフェースを備えているのは、それぞれのインターフェースを異なるネットワークに接続するためです。

WAN側はプロバイダのネットワーク(WAN)へ接続し、LAN側は家庭内のローカルなネットワーク(LAN)に接続することになります。
割当てるIPアドレスも、それぞれのネットワークに合ったものでなければなりません。

LAN側とWAN側、2つのインターフェースは、接続するネットワークが異なる

WAN側のインターフェースとグローバルIPアドレス

ブロードバンドルータのWAN側インターフェースには、インターネット上で識別可能な「グローバルIPアドレス」を割当てます。
(一部のプロバイダではグローバルIPアドレスが割当てられない場合もあります。)
一般的には、プロバイダへの接続、認証時に自動的に割当てられます。

WAN側のインターフェースには、プロバイダへの接続・認証時に、自動的にグローバルIPアドレスが割当てられる

グローバルIPアドレスは、インターネット上で唯一のIPアドレスです。
このIPアドレスが割当てらられることで、インターネットに接続されている様々な機器と直接通信できるようになります。

LAN側のインターフェースとプライベートIPアドレス

ブロードバンドルータのLAN側インターフェースには、閉じられたネットワーク内だけで利用可能な「プライベートIPアドレス」を割当てます。
通常、LAN側のプライベートIPアドレスは、予めブロードバンドルータに設定されているので、そのまま利用することができます。

ブロードバンドルータのLAN側インターフェースには、初期値として、予めプライベートIPアドレスが設定されている

プライベートIPアドレスは、閉じられたネットワークだけで使用するIPアドレスなので、そのネットワーク内で重複していなければ問題ありません。
このIPアドレスが設定されることで、同一ネットワーク(LAN)に接続されている他の機器と通信できるようになります。

以上で、ブロードバンドルータとIPアドレスの説明は終わりです。
基本的な内容の説明でしたが、ブロードバンドルータの機能や設定を理解する上で大切な部分となります。
少しでも参考になればと思います。

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