PLCアダプタは、既設の屋内電気配線を利用して通信を行うための装置です。
離れた場所の機器を有線で手軽に接続できます。
無線LANでの通信が不向きな区間などで便利です。
PLCアダプタの使い方について簡単に説明します。
PLCアダプタは、2台以上のアダプタを、それぞれ別のコンセントに差し込んで使用します。
元々、コンセントとコンセントの間は電気用の配線で繋がっています。
この電気用配線を使ってアダプタ同士が通信を行います。
PLCアダプタには、LANケーブルを接続できるポートがあり、そこへパソコンやネットワーク機器を接続して通信を行うことができます。
LANケーブルの引き回しが難しい区間や、無線LANの電波が届かないエリアなどで便利です。
上図では、LANケーブルを使用して全ての機器を有線で接続していますが、無線LANと併用することもできます。
PLCアダプタを使用する区間だけ、LANケーブルの代わりに電気配線を使うようなイメージとなります。
便利なPLCアダプタですが、電気配線は元々通信用の配線ではありません。
使用環境によっては、期待した通信速度にならない場合もあります。
PLCアダプタのメーカーサイトなどで詳細を確認しておくとよいでしょう。
PLCアダプタを購入する際の確認ポイントについて簡単にまとめてみます。
PLCの規格は、まだ統一されておらず、以下の3つの規格があります。
○ HD-PLC
○ UPA
○ Home Plug
3つの規格は、最大通信速度や通信の暗号化方式に若干の違いはあるものの、基本的な使い方はどれも同じです。
1つだけ違いを挙げれば、HD-PLC方式は親機の電源が入っていないとPLC全体の通信ができなくなるのに対し、他の2つの規格は親機の電源が入っていなくても子機だけで通信できます。
現在のところ、どの規格が優位ということは無いと思いますが、異なる規格同士での互換性は無いので、将来的な拡張も考えて、どの規格をサポートしている製品を購入するか決めるとよいでしょう。
PLCアダプタは、電気配線を使って通信を行うため、他の家電製品から発生されるノイズの影響を受けることがあります。
このため、PLCアダプタを使用する際は、他の家電製品をノイズフィルタ付きのテーブルタップなどに接続することを推奨しています。
製品によっては、ノイズフィルタ付きのコンセントなどが予め備わっているものもあります。
ノイズによる速度低下が予想される環境では、後で買い足すよりも便利だと思います。
一般的なPLCアダプタは、LAN接続ポートが1つしかありませんが、複数のLAN接続ポートを備えている製品もあります。(子機)
1台のPLCアダプタに複数の機器を接続する予定がある場合は、接続ポートが多いと便利でしょう。
外付けでHUBを使用する場合は、ポート数にこだわらなくてもよいと思います。
一般的な家電製品と同じように電源コードをコンセントに差し込むタイプと、PLCアダプタ本体をそのままコンセントに差し込むタイプがあります。
設置予定箇所のスペースや配線などを考慮して、どちらのタイプにするか決めるとよいでしょう。
PLCによるネットワークは、1台の親機と1台以上の子機で構成されます。
初めは、親機と子機のセットを購入することになると思いますが、その後アダプタ(子機)を追加することもできます。
ただし、規格が異なる製品を追加することはできないなど、追加できる製品には制限があるので、予め確認しておくとよいでしょう。
以上でPLCアダプタの説明は終わりです。
既設の電気配線を利用するので、導入は簡単だと思います。
無線LANの電波が届かず、LAN接続をあきらめていた場所でも、PLCアダプタを使えば接続できる可能性があります。